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チンケテッレ

ヨーロッパ1か月周遊の旅程作成|29日間ルートを5ステップで組んだ実例

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ヨーロッパを1か月かけて周遊する旅程を、実際にどう組んだか。
29日間・18カ国を巡った旅程作成の思考プロセスを、Orenoguidebookで提唱している「旅程作成5ステップ」に沿って解説する実践編です。

「北欧とバルト三国に行きたい」
「イタリアとスイスの友人とも会いたい」
「プレエコ以上に乗りたいが費用は押さえたい」
という複雑な条件を、どう整理して1本の旅程に落とし込んだか。
ルートの結論だけでなく、判断基準と選択肢の比較を中心に書いています。

この旅程の結論

長くなるので先に結論を出します。

  • 前半をイタリア・スイス、後半を北欧・バルト三国に分けてブロック化した
  • 航空券はソウル発着にすることで、日本発着より大幅に費用を抑えた
  • ルートの骨格は「アテネイン→ワルシャワアウト」で固定し、中身を埋めた
  • 移動手段は飛行機・夜行列車・フェリー・夜行バスを組み合わせて、移動そのものも旅の一部にした
  • 行きはプレエコにして初日からアクティブに動けるように設計した
  • ビジネスクラス帰国を終盤に置き、旅の疲れを吸収する設計にした

完成した29日間の詳細旅程は別記事にまとめています。
29日間ヨーロッパ周遊の詳細旅程ログ

今回の旅程の前提条件

まず旅程の前提を整理します。
制約が明確でないと、候補地を絞り込めません。

項目内容
期間約1か月(29日間)
出発地日本(成田)→ ソウル経由でヨーロッパへ
絶対条件①北欧諸国(ノルウェー・スウェーデン・デンマーク)に行く
絶対条件②バルト三国(エストニア・ラトビア・リトアニア)に行く
絶対条件③イタリアとスイスにいる友人に会う
予算旅行積立の範囲内(一定額を上限に設定)
こだわり①スターアライアンス路線を優先、マイルとステータスを活用
こだわり②移動手段そのものに体験価値を求める
こだわり③行きはプレエコ、帰りはビジネスを使う

STEP1:「制約」を可視化する

最初にやることは「動かせない条件」を全部並べること。
行きたい場所を先に書き出すと収拾がつかなくなります。

制約の種類具体的な内容
時間有給の上限が約1か月
友人の予定イタリア・スイスの友人は前半しか都合が合わない
フライト行きはプレミアムエコノミーを使いたい
帰国便はビジネスクラスを使いたい
原則スタアラで取りたい
体力長期旅の後半は疲れる。
終盤に余裕を作る必要がある
予算航空券・宿・交通費で総額の上限を決めておく
帰国後戻った翌週から仕事。
旅の最後で疲弊しない設計が必要

「制約があるから旅程が決まる」というのがOrenoguidebookの考え方です。
制約を嫌がるのではなく、制約から逆算すると選択肢を絞りやすいです。

STEP2:候補地を絞り込む

制約が出そろったら、「地図で見る」作業に入ります。

今回の条件を地図に落とすと、行きたいエリアが2つに分かれることがすぐわかりました。

  • 南西ブロック:イタリア・スイス・周辺国
  • 北東ブロック:北欧・バルト三国

友人との予定が前半しか合わないため、前半を南西ブロック、後半を北東ブロックにする方向で固まりました。

次に検討したのは「どこからヨーロッパに入るか」です。

入国地メリットデメリット
ミラノ直行友人の場所に近い日本発着で高い
アテネエーゲ航空でミラノへ安く移動できる。
ギリシャも行きたかった
ルートが遠回りになる可能性
フランクフルト・パリなど乗り継ぎが便利入国地として滞在の魅力が薄い

Googleフライトでミラノ発着・アテネ発着をそれぞれ検索したところ、エーゲ航空のアテネ→ミラノ便が安価でした。
アテネ自体も行きたかったため、「アテネインでギリシャを楽しみ、エーゲ航空でミラノへ移動する」という流れが候補に浮上しました。

STEP3:フライトから旅程の骨格を作る

日本発着の壁

日本から直接アテネへ飛ぶルートをプレエコ以上で調べると、乗り継ぎ便でも40万円を超えることが多く、予算的に厳しい状況でした。
ここで使ったのが「ソウル発着」という考え方です。
日本からソウルへ飛び、ソウルから目的地を目指すことで、日本発着の航空券よりも費用を大幅に抑えられるケースがあります。
今回はそれが機能しました。

確定した4区間のフライト

区間航空会社・方法選んだ理由
東京 → ソウルデルタ航空マイル利用マイルで特典航空券を確保
ソウル → アテネLOTポーランド航空(ワルシャワ経由)ソウル発で価格が抑えられた。
後に入札でプレエコへアップグレード
ワルシャワ → ソウルB787ビジネスクラス確定帰国時ビジネスを確保
ソウル → 東京エチオピア航空の以遠権路線ユニークな路線体験

帰国側をワルシャワにすることで、旅程の終点が「バルト三国→ポーランド」と自然につながりました。
「アテネイン・ワルシャワアウト」という骨格が、この段階で確定しました。

STEP4:中日程を確定する

骨格(アテネイン・ワルシャワアウト)が決まったら、中身を埋めていきます。

前半(南西ブロック)の組み方

前半のイタリア・スイスは友人の予定に合わせるため、日程が動かしにくい。
先に友人との会う日を確定させ、その前後で観光地を割り当てました。

主な訪問地:ギリシャ(アテネ)→ イタリア(ミラノ周辺)→ スイス(ツェルマット)→ リヒテンシュタイン(ファドゥーツ

前半から後半へのつなぎ(中欧ブロック)

スイスから北欧へのつなぎが今回の旅程で最も工夫が必要な部分でした。
Oreは時間効率と航空券・鉄道価格を考慮した結果、下記の経路でつなぎました。

区間移動手段目的・理由
ツェルマット → ウィーンNightjet(夜行列車)移動時間を宿泊時間に変換。
ウィーン観光も確保
ウィーン → ブラチスラバ日帰りスロバキアの首都を効率的に観光
ウィーン → ベオグラードエア・セルビアトランジット時間が長い便を選んでベオグラード観光時間を確保
ベオグラード → リュブリャナエア・セルビアスロベニア・ブレッド湖へのアクセス
リュブリャナ → ブダペストルフトハンザ意外と安いのでスタアラで確保
ブダペスト → コペンハーゲンルフトハンザ北欧ブロックへの入口

NightjetについてはNightjet完全ガイドで詳しく解説しています。
ウィーン発着路線の比較はウィーン発着ナイトジェットおすすめ路線比較も参考にしてください。

後半(北東ブロック)の組み方

北欧→バルト三国の順に南下する流れで組みました。

区間移動手段選んだ理由
コペンハーゲン → ベルゲンノルウェー・エアシャトルフィヨルド観光の起点へ
ベルゲン → オスロノルウェーナットシェル鉄道・バス・船を組み合わせた絶景ルート。
移動自体が目的のひとつ
オスロ → ストックホルムエチオピア航空の以遠権路線ユニークな路線で移動を楽しむ
ストックホルム → タリンタリンク夜行フェリー夜行フェリーで海峡を渡る体験価値
タリン → リガヴィリニュスエア・バルティックトランジットを利用してバルト三国を安く効率よく観光
ヴィリニュス → ワルシャワLux Express夜行バスコスパが高く、早朝にワルシャワ到着できる
FlixやBlaBlaCarよりは快適!

ノルウェーナットシェルは予約が必要です。
詳しくはノルウェーナットシェル2日間モデルルートで解説しています。
夜行フェリー・夜行バスは「移動時間=宿泊時間」として使えるため、日数が少ない旅でも有効な選択肢です。
ただし夜行バスは体力を大きく消耗します。
使いすぎには注意が必要。

STEP5:詳細スケジュールを決める

中日程が確定したら、最後に日別スケジュールを詰めます。
ただし1か月規模の旅では、「日別スケジュールを完璧に決める」ことよりも以下の管理が重要です。

  • 予約が必要な施設・交通の抑え(キャンセル無料プランを活用)
  • 宿泊地の確定と仮予約
  • 移動の乗り継ぎ時間の余裕
  • 洗濯・休息のための「何もしない日」の確保

Orenoguidebookの考え方として、「詳細を決めるのは、現地で自由に予定を壊すための余白を作るため」です。
日別スケジュールは大まかで構いません。

今回の29日間・日別の詳細旅程はこちら:
29日間ヨーロッパ周遊の詳細旅程ログ

この旅程作成でよかった考え方

エリアをブロックに分けた

「南西(イタリア・スイス)」「つなぎ(中欧)」「北東(北欧・バルト三国)」の3ブロックに分けることで、旅程全体に流れができました。
行き来が減り、移動の無駄がなくなります。

フライトから逆算した

先に「どこからヨーロッパへ入るか・どこから帰るか」を決め、中身を埋めていきました。
航空券の価格や空席状況が、行き先の選択に影響するケースもあります。

移動そのものを体験価値にした

Nightjetノルウェーナットシェルタリンク夜行フェリーなど、移動手段自体を旅のコンテンツにしました。
「A地点からB地点へ効率よく移動する」ではなく「その移動も楽しむ」発想です。

終盤にビジネスクラス帰国を置いた

1か月旅の最後は体が疲れています。
帰国便をビジネスクラスにしたことで、楽しみながら、かつ疲労を回復しながら帰国できました。
体力の設計として有効でした。

反省点・注意すべき点

反省点詳細
移動が多い18カ国は明らかに詰め込みすぎ。
初めてのヨーロッパ旅行には向きません
洗濯・休息日の確保が難しかった1か月旅では何もしない日を意識的に入れる必要があります
航空券価格や空席状況は変わる同じルートを今組んでも同じ価格にはなりません

同じルートを完全コピーするより、考え方を参考にして自分の制約に合わせてアレンジしてください。

1か月ヨーロッパ旅行を組む8つのコツ

  • 動かせない予定から決める:友人の予定・予約済み施設など、変えられない条件を先に出す
  • 行きたいエリアを2〜3のブロックに分ける:地図で確認しながら地理的な流れを作る
  • 航空券を先に調べる:価格と空席状況が、行き先の選択に影響する
  • 移動手段は「価格」だけで選ばない:夜行列車・フェリー・絶景鉄道は体験価値があります
  • 夜行移動を使いすぎない:特に夜行バスは連続だと体力が落ちます。週に1〜2回が目安
  • 終盤に余白を作る:旅の最後は必ず疲れます。詰め込まない日を意識的に入れましょう
  • ホテルはキャンセル無料で仮押さえする:旅程が変わっても対応できます
  • スプレッドシートとGoogleマップで管理する旅行計画テンプレートも活用を

まとめ

1か月のヨーロッパ旅行は自由度が高い分、制約を整理しないと旅程が決まりません。

「行きたい場所を全部並べる」作業は最初にやりがちですが、そこからスタートすると収拾がつかなくなります。
「動かせない条件を先に出し、フライトから骨格を作り、中身を埋める」という順番で考えると組みやすくなります。

今回の旅程は、Oreの条件(友人の予定・スターアライアンス活用・体験価値重視の移動)に合わせて組んだものです。
完全に同じルートを真似するより、考え方を参考にして自分の制約に合わせてアレンジしてください。

旅程作成の理論は「計画が8割」旅程作成の5ステップ(理論編)で詳しく解説しています。
2週間版のモデルコースは2週間ヨーロッパ周遊モデルコースも参考にしてください。
今回の29日間の詳細旅程は29日間詳細旅程ログにまとめています。

よくある質問

1か月ヨーロッパ旅行の予算はどのくらい必要ですか?

航空券・宿・交通費・食費を含めて、エコノミークラス主体なら60万円~が目安です。
プレエコやビジネスクラス、マリオット系ホテル縛りなどを組み合わせると変動幅が大きくなります。

ソウル発着にするメリットとデメリットは何ですか?

メリットは航空券の選択肢が増え、日本発着より安くなるケースがあること。
デメリットはソウルまでの移動が別途発生することと、日本発着のマイル積算ルールが変わることです。
ソウルに滞在を組み込めれば、一石二鳥になります。

バルト三国はどのくらいの日数が必要ですか?

首都3都市(タリン・リガ・ヴィリニュス)を効率よく回るなら最低5〜6日。
それぞれ1〜2泊を確保できると余裕が出ます。
今回はエア・バルティックで効率よく南下しましたが、リガの滞在が8時間しかなく、もう1泊欲しかったのが正直なところです。

ストックホルム→タリンの夜行フェリーは快適ですか?

キャビンを取れば快適です。
大部屋のリクライニングシートは疲れます。
食事やサウナなどの船内施設を楽しめるのが夜行フェリーの良さで、移動コストを宿泊費に充てるつもりで考えると割安感があります。

この旅程は初心者でも真似できますか?

難しいと思います。
18カ国・29日間は移動量が多く、旅慣れた人向けです。
初めてのヨーロッパ旅行なら、10日〜2週間で3〜4カ国に絞る方が確実に楽しめます。
この記事は「考え方の参考」として使い、自分のペースに合わせてアレンジしてください。

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